Ider-Oberstein

約500年にわたり宝石研磨、宝石彫刻技術が脈々と受け継がれている稀有な街がドイツにあります。それは、世界一の宝石の街と呼ばれるIdar-Oberstein(イーダー・オーバーシュタイン)です。私たちは、ストーンカメオの聖地とも呼んでいます。

イーダー・オーバーシュタインは、ドイツの中心都市のひとつフランクフルトから南西に約130キロにある、人口は3万人弱の緑豊かな小さな街です。ドイツ語で「石の上の町」を意味し、ナーエ川の谷あいに位置しています。フランクフルトからは車、電車ともに1時間半ほどの距離にありますが、イーダー・オーバーシュタインに近づくにつれて、なだらかな丘陵からごつごつとした岩肌に車窓が変わっていくことが印象的です。

この街は15世紀半ばにメノウ鉱山が発見されたことから宝石研磨技術が発展し、以降宝石産業の集積地として発展してきました。当時は、水車を用いナーエ川の水力を宝石研磨の動力として活用していたため、ナーエ川沿いには数多くの水車小屋があり、各所で石の研磨がなされていました。大きな研磨機に向かい横たわるような姿勢で研磨していたと言われ、重労働であったことが推察できます。現在は1か所となった水車小屋ですが、公園として整備され市民の憩いの場所となっています。その後、メノウ鉱山は1870年に採掘が中止されましたが、内部を歩いて見ることができる珍しさもあり、現在は観光用の鉱山として人気を集めています。そして、現在ストーンカメオの材料となる縞メノウはすべてブラジルから輸入されています。

良質なメノウが採掘されたことから研磨・彫刻技術が発展したこの街に、19世紀になってフランスからカメオ彫刻技術がもたらされます。この特異な環境と脈々と受け継がれる彫刻技術こそが、この街がストーンカメオの聖地と呼ばれる所以です。わずか約20名のストーンカメオ彫刻家がこのイーダー・オーバーシュタインとその近郊にアトリエを構え、世界中に彫刻作品の文化を発信し続けています。
宝石彫刻の街イーダー・オーバーシュタイン
岩窟にあるフェルゼン教会は街のシンボル
宝石彫刻の街イーダー・オーバーシュタイン
見学用の水車小屋のある公園
宝石彫刻の街イーダー・オーバーシュタイン
水車小屋での研磨の様子

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宝石彫刻の街イーダー・オーバーシュタイン

Idar-Oberstein

宝石彫刻の街
宝石彫刻の街イーダー・オーバーシュタイン

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カメオの彫刻家
宝石彫刻の街イーダー・オーバーシュタイン

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宝石彫刻の街イーダー・オーバーシュタイン

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