高度な彫刻技術を誇る彼の作品は、大変細やかで複雑なデザインが多い一方で、仕上がりがなめらかで、メノウの層の特性を活かした繊細な彫刻がなされていることが特徴です。
限られた厚みのメノウの層の中に、立体的で奥行きのある世界観が表現されています。
他の彫刻家達の追従を許さないほどの圧倒的な美しさと芸術性の高さを見ることができます。
日本における約9年間の創作活動と、彼の日本文化への理解が深さを増したことにより、仏像や日本の建築物、風景といった新しい世界観を表現しています。
2000年以上にわたりヨーロッパで発展を遂げてきたカメオには見られなかったオリジナルモチーフの作品を数多く製作しています。
ストーンカメオには2000年以上の歴史がありますが、それらの解釈(製作年や作品の由来など)について専門家の見解は様々に分かれています。シュミット氏はカメオ彫刻家としての知見と、長きにわたる考古学の研究によって、これまでの考古学者達による歴史的解釈の誤解や彫刻工具の謎について解明し、論文を発表してきました。豊富な知識と鋭い考察によって、カメオの歴史謎をひも解く専門家としても活躍しています。これらの学術面における彼の偉大な功績は、彼のあくなき探求心とカメオに対する情熱に裏付けられています。
1953年 | 4月8日イーダ-・オーバーシュタイン市近郊に生まれる |
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1967年 | イーダ-・オーバーシュタイン市専門技術学校彫刻部門入学 |
1981年 | 来日、日本での創作活動を開始 1990年9年間に及ぶ日本での活動の後、ドイツに帰国し、シュミット工房を設立 |
1993年 | ドイツ州政府が認める「クンストラー(芸術家)」としてカメオ彫刻を開始 |
1996年 | カメオ作品集「石の彫刻」出版 |
1999年 | カメオ作品集「日本の仏像」出版 |
2003年 | カメオ作品集「聖書の絵」出版 |
2012年 | 研究論文「宝石彫刻7000年の歴史-宝石彫刻の芸術 バビロニアからイーダー・オーバーシュタインへ」発表 |
2019年 | 研究論文「ゲマ・クラウディア-研究」をウィーン美術史美術館年鑑2019-20年版へ寄稿 |
1982年 | 山梨県立美術館にて、日本で初めてカメオの個展を開催 |
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1983年 | アメリカ合衆国ツーソン、スイスのバーゼルのフェアに出展 |
1984年 | 香港ジェムショーに出展 |
1985年 | アラブ首長国連邦ドバイ市のジュエリーフェアに出展 |
2006年 | マクシミリアン博物館に作品出展(ドイツ・アウグスブルク) |
2006年 | ボン大学芸術美術館に作品出展 |
2007年 | ベルリン国立アルテスミュージアムへ世界三大カメオ出展 |
2008年 | ウィーン美術史美術館へ作品出展 |
2009年 | 古代ローマ博物館「ヴァールスの戦い2000年」に作品出展(ドイツ・ハルテルン) |
2010年 | ミュンヘン州立古代美術博物館「高貴な石の魔術」に作品出展 |
2011年 | ドイツ宝石博物館に作品出展 |
2012年 | ドイツ宝石博物館「サンクトペテルブルクの彫刻家との共同特別展」開催 |
2013年 | チロル州立博物館に作品出展(オーストリア) |
2015年 | ライプツィヒ大学古代博物館に作品出展 |
2017年 | 古代ローマ博物館「勝利のない勝利」へ作品出展(ドイツ・ハルテルン) |
2018年 | ドイツ宝石博物館「ローマ皇帝の豪華な作品-ゲルハルド・シュミットによる古代宝石彫刻復刻」開催 |
2019年 | 城塞博物館「宝石彫刻に秘められた古代ローマ政治-ゲルハルド・シュミットによる復刻」開催(ドイツ・ユーリッヒ) |
2020年 | ローマ入浴文化博物館「古代ローマ宝石彫刻に秘められた謎-ゲルハルド・シュミットによる復刻」開催(ドイツ・ツュルピッヒ) |
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